このサイトでの記念すべき第一回目のブログです。
わたしが6年間学んだバーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン(BVB)から出版されている様々な書籍のエッセンスを、ここで紹介していきますね。
初回は、養子縁組です。
なぜ初回に扱うテーマがよりによって養子縁組なのか?──意味深ですね~。それはこのサイトの目的とも関係しますが、いずれみなさんは理解されるでしょう。
出典
出典は『ADOPTION』(著者: Rajbir Singh; 指導・監修: K.N.Rao)です。
詳細につきましては、いずれわたしが翻訳・出版する日本語訳、あるいは原書をご参照ください。
養子縁組とは、生みの親の家を出て育ての親の家に入ることです。
パラメータ
重要なパラメータは以下の通りです。
- 子供のホロスコープの9室の支配星。養子縁組の場合、里親となる父親が子供にとって重要になるからです。
- 3つの分割図、すなわちラーシ・チャート(D1)、ドゥワダシャーンシャ・チャート(D12)、そしてチャトゥルターンシャ・チャート(D4)。
- ダシャーが生みの親の家を出て育ての親の家に入ることを示している。
- いずれの場合でも、8室、12室、3室の役割は重要です。
養子縁組にはいろいろなタイプがあります。
一般に養子縁組は子供にとって環境の変化を意味しますが、その変化には
- 完全な変化
- 部分的な変化
の二種類があります。
完全な変化とは、里親も家もすべて変わってしまうケースです。
部分的な変化とは、家は変わるが親の一人(母親か父親)は変わらないケースです。たとえば母親が亡くなった後、子供が親族の家に引き取られるようなケースです。父親は生みの親のままですが、新しい母親の元で子供は育てられます。法的に養子縁組の手続きは必ずしも行われません。
以上を勘案して以下のパラメータを検証します。
- ラーシ・チャート(D1)の4室とその支配星。
- ラーシ・チャート(D1)の9室とその支配星。
- ドゥワダシャーンシャ・チャート(D12)の4室とその支配星。
- ドゥワダシャーンシャ・チャート(D12)の9室とその支配星。
- チャトルターンシャ・チャート(D4)の4室とその支配星。
- チャトルターンシャ・チャート(D4)の9室とその支配星。
事例1:ビル・クリントン
誕生データ: 1946年8月19日、07:57:04、Hope AR
ビル・クリントンの誕生時のダシャーは太陽/太陽/太陽期でした。
このホロスコープの特徴は、
- 9室の支配星が8室の支配星とコンジャンクトしている。
- それらに土星がアスペクトしている。
です。
これらは、生みの父親の命に係わる出来事が起きたことを示しています。
わたし(KNラオ)は1993年に訪米したとき、アメリカ人はクリントン大統領の出征時刻を知りませんでした。
ただ、朝方に生まれたらしいことがわかっていました。
このような場合、議論の余地のない事実がラグナ特定の決め手となることがあります。
ビルクリントンの場合、父親が死んだ後に生まれたという事実がそれにあたります。
生みの父親は、ビル・クリントンが生まれる3~4か月前に亡くなっていました。
二つ目の決め手は、母親が再婚し、育ての父親の苗字を名乗ることになりました。
養子のケースです。
ダシャーは太陽/太陽/太陽期ですが、太陽は12室を支配しています。
9室を支配する金星は、8室を支配する火星とコンジャンクとして傷ついています。
ドゥワダシャーンシャ(D12)では9室を支配する金星は8室に在住しています。
ダシャー・ロードの太陽はやはり12室を支配し、たいへん傷ついています。
チャントルターンシャ(D4)では、やはり4室が傷ついていて、ダシャーロードの太陽は12室を支配しています。
生まれた家から養子先に住まいを変えることを示しています。
事例2:ナラシンハ・ラオ※
誕生データ: 1921年6月28日、13:02、Warangal
※ラジーヴ・ガンディー元首相が暗殺され、急遽、後継総裁に選出される。総選挙後、1991年6月20日、首相に就任。1996年まで務める。
ナラシンハ・ラオは生まれてすぐに養子に出されました。
9室を支配する金星は8室に在住しています。
ナラシンハ・ラオが生まれたとき、ダシャーは土星/太陽/木星期でした。
太陽は12室を支配し、土星と木星は12室に在住しています。
ナラシンハ・ラオは生まれてすぐに養子に出されました。
わたし(KNラオ)は本書の著者ラジビル・シンに、この線に沿って書くように助言しました。
次は、親の立場から養子縁組を探ってみましょう。
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。