方法論・考え方

「時刻修正、どうしてますか?」③─うまくいかないケース

前々回の記事「時刻修正、どうしてますか?」のつづきです。

時刻修正は、レベルによって二段階あります。

①ラグナの星座が正しいか?
②ラグナの経度(度分秒)が正しいか?

得られる情報によって、①のレベルで終わるか、②のレベルまで進めるか、が決まります。

①のレベルで躓くような場合、鑑定はできません。

つまり、

アセンダントの星座を特定することができない場合です。

 

こんなことがありました。

散々検証した結果、アセンダントは天秤座ではなくて蠍座だとわたしは確信しました。

そう相談者に伝えると

「いや~、わたしは蠍座人間じゃないと思んですよね」

相談者は、「天秤座人間でありたい」という願望から

蠍座アセンダントの可能性をかたくなに拒んできました。

 

でも~

そもそも蠍座人間とか天秤座人間とかいう概念は、

星座占いと無関係なインド占星術にはないんだけどね

 

星座占いをインド占星術にだれかが持ち込んだ結果

そういう不幸な見方が広まってしまった経緯がある

 

そこまでいうなら、残念だけど鑑定は続けられないんだよね。

そういうケースがこれまで何度かありましたね。

 

また、

そもそも出生時刻がまったわからないというケースでは、

①のレベル、すなわちアセンダントの星座の特定さえ困難な場合が少なくなく

いくら膨大な労力と時間をつぎ込んでも、

結局わからずじまいということもあります。

わたしはそういう事案の依頼は、お断りすることにしています。

 

バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン でこういうエピソードがありました。

たいへん優秀で生徒たちからもっとも尊敬されている教官A、そしてB。

かれらも

「実は、自分の正確なホロスコープを知らない」

それを聞いたときは、わたしを含め生徒たちはみなたいへん驚いたものです。

 

誤解のないように断っておきますが、

まったくわからないのではなく、

優秀な「先生がわからない」というレベル

一般の「生徒がわからない」というレベル

では、そもそも雲泥の違いがあるってことは理解しておいてね。

 

教訓としていえるのは

誕生時刻というものは、占星術を使えばだれでも必ず正確にもとまる

というものではないということですね。

 

この事実に対して、占星術を学び実践するものは、もっと謙虚にならないといけませんね。

 

ジョーティシュスーパーサイエンスであるとKNラオは説くんだけど

ジョーティシュを使えばなんでもわかるからスーパーサイエンスなのではなく

入力(INPUT)に応じて正確に出力(OUTPUT)が得られるというところが

スーパーサイエンスなんだよね

 

だから

入力(INPUT)がしょぼければ、

必然的に出力(OUTPUT)もしょぼくならざるを得ない

 

ジョーティシュを使えば何でもわかるという子供っぽい万能感は、

むしろ鑑定をあたらなくさせるんだよね。

 

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ジョーティシュ・サンクチュアリー │ ヴリンダーヴァン
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