「時刻修正、どうしてますか?」④─アラン・レオ

「時刻修正、どうしてますか?」の4回目です。

時刻修正には大きく2つのステップがあると書きました。

①ラグナ(アセンダント)の星座を特定する
②ラグナ(アセンダント)の経度(度・分・秒)を特定する

 

①ラグナの星座を特定するところで、

相談者が下手に占星術を知っていると

やっかいなことになることがある、

とひとつ前のブログで書きました。

 

そう

「わたし蠍座人間じゃありません、天秤座人間です」

てやつ。

※それにしても蠍座ラグナを嫌う人、多いよね~
美川憲一さんの影響がそれほど強いとは思えないんだけど…

 

これは

西洋占星術の太陽12星座占い

インド占星術にも浸食し根を下ろしつつある

結果のひとつなんだろうけど。

 

KNラオは、

ロシアの訪問者から

星座占いについて質問されたとき

本棚からある書籍をとりだして、

これを読みなさいと手渡していました。

 

それがこれです。

PETER HOLT『STARS OF INDIA – Travels In Search of Astrologers and Fortune-Tellers

※絶版になっていていまはキンドルでしか読めないようです。

 

著者ピーター・ホルトはイギリスのジャーナリスト。

英領インド(植民地支配)を確立した祖先の足跡を辿るインドへの旅が

占星術探求の旅へと変貌していく過程が書かれてあります。

 

そのなかで

インド占星術と西洋占星術の違いが

西洋人の視点から書かれてあります。

 

一部を引用しましょう。

Until the end of the last century, Hindu and Western astrology were very similar. Then in the 1890s an English astrologer called Alan Leo revolutionised the interpretation of the planets. Leo was an original “new-age” man. His slogan was “character is destiny” and he began to steer astrology away from an emphasis on events. Event-based astrology had long been a problem in the Christian world because it appeared to impinge on free-will. Western astrologers, who tried to maintain that the stars were an indication of God’s will, did not endear themselves to the Church and, ultimately, the establishment. Leo thought he was doing astrology a service by getting away from this. Also, since he was no longer predicting a person’s future fortune, he was not breaking the laws that had discriminated against astrologers since the middle-ages. He was doing no more than tell a person what his character was like and what would happen to him as a consequence of his character. The planets took on different meanings. So in the new framework of Leo’s astrology, Mars, for example, represented your will-power, instead of accidents; Saturn became your karma, rather than representing the father, and Venus was your need for love and affection instead of men or women.

Before 1890, Western astrologers considered that a person’s ascendant, or rising sign, was the most precise indication to their character and destiny. After all, the ascendant changes sign every two hours, as opposed to the Moon which changes every two and a half days and the Sun which changes once a month. Leo and his followers discarded with tradition in favour of practical science. They decided that the Sun was the most important influence on the basis that the light of the Moon only reflects off the Sun and the other planets are so far away that we can hardly see them. Sun signs, they declared, would form the roots of the new astrology. This meddling did not impress the astrologers of India who continue to use the traditional system. They say it is far superior in accuracy and they regard a person’s Sun sign as relatively unimportant compared with the ascendant.

 

ざっくり訳せば

19世紀末、アラン・レオが登場するまでインド占星術も西洋占星術も大変よく似ていた。

アラン・レオは、アセンダントの代わりに太陽が在住する星座を重視し、その星座をもとに解釈をするようになった。

となる。

 

アラン・レオが登場するまでは、

インド占星術と西洋占星術は似ていた

 

でも、だからといって、

インド占星術をいまの西洋占星術に似せるとしたら

ブラックジョークだよね

笑えない…

 

賢明な読者ならすでにおわかりだろうけど

実はインド占星術を西洋占星術に近づけているんじゃなくて

そう見せながら、やっているのはその逆、

 

つまり

西洋占星術をインド占星術に見せかけている(偽装)…

って部分も結構あるんだよね。

 

たとえば、

インド占星術に関する知識や技法の欠損

西洋占星術の知識や技法で補う…

とか。

 

インド占星術をきっちり学んだことのある人は、

そういうことをしないし、

そういう必要性をそもそも感じない。

 

西洋占星術をインド占星術に持ち込む前に

インド占星術自体に山積みする課題

いっぱいあるからね。

 

インド占星術自体が宝の山だから…。

他山に目を向けている暇はないんだ。

 

あと

この書籍には書かれていないけど、

星座の象意も、それまでは

インド占星術と西洋占星術(古典占星術と呼ばれるクリスチャンアストロロジー)は似ていたが、

アラン・レオの登場以来、

星座の象意が爆発的に増えて、

今日に至っていることは、

よく知られているところです。

 

まあ、

この辺の議論は、

わたしはどちらかといえば門外漢なので、

詳しい方がどこかで論じてくれればと思います。

 

いずれにせよ

インド占星術の古典を見渡す限り

西洋占星術における星座ごとに存在する膨大な象意

インド占星術にはみあたらないのは確かで

 

それを、

わざわざインド占星術に持ち込んで解釈するような行為は

どうなのよ~

 

すくなくとも

わたしが6年間在籍したバーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン ではなかったし

そういうことをする必要性も

議論されたことは

いっさいなかったんですよね。

 

そのことは、

インド占星術を学びたいと思われている方は、

事前に知っておいた方がいいんだろうね。

(= informed consent!)

 

であれば、それを受け入れるかどうかは

みなさんの自己責任ということになる…。

 

でなければ後悔することもあり得ると思うよ。

 

ちなみに

この本にはラオ先生がなんども登場します。

ちょっと引用します。

Back in Ahmedabad, Mr. Patel had told me there was only one astrologer in the capital who was both highly respected and had direct access to the corridors of power.

No visit to Delhi would be complete without seeing a Brahmin called K. N. Rao.

Rao, a former senior civil servant, retired in 1990 as a director general in the government accounts department.

He is the author of many books and pamphlets on astrology with a special interest in weather forecasting.

The Government of India’s Meteorological Meteorological Department has been known to take his advice on monsoon predictions.

I called on Rao at his central Delhi home, a comfortable, bungalow in a tree-lined street. The house had been built in the 1930s to house civil servants of the British Raj.

 

「インドの気象庁も、モンスーンの予想についてはKNラオの助言を得ている」

と書いてあるけど

おそらくそれはない。

 

ただ、

気象庁よりもモンスーンの予測が正確だったことは何度もあるし

それを知ってか

気象庁の職員が占星術を学びに来ていたこともあるくらい

 

だから

わざわざモダン西洋占星術の知識をインド占星術に導入する必要なんてないのね

そのままでも十分機能しているので。

 

さて

 

ここの部分でKNラオが登場した後、

著者のインド占星術探求の旅は

KNラオを中心に展開していきます

 

著者が、

占星術の神秘を解き明かす上で

KNラオがキーパーソンであることを

理解したからなんだけど…

 

興味を覚えた方は、ぜひ購入してみてください。

 

PETER HOLT『STARS OF INDIA – Travels In Search of Astrologers and Fortune-Tellers

※絶版になっていていまはキンドルでしか読めません。

 

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