■氾濫する情報
情報が氾濫しています。
ありとあらゆる情報にアクセスできるインターネットは、
とても便利な反面、情報の氾濫という弊害をもたらしています。
わたしの師匠・KNラオが
身近な人たちにこう発言している場面に、
わたしは近年何度も遭遇しました。
“Facebook, Webinar, YouTube are destroying astrology”
(フェイスブック、ウエビナー、YouTubeが占星術を破壊している)
だれもが情報を手軽に大量に効率よく発信できるようになったいま、
はたして占星術の進化は加速されるのでしょうか?
それとも、KNラオが警告するように、
むしろ占星術は退化・衰退の道を辿るのでしょうか?
■三種の神器
占星術で成功する上で必要な三要素を、
KNラオは次のように定義しています。
①テクニック
②スキル
③モラル
KNラオは、
①テクニックは教えることができるが、
②スキルと③モラルは教えることができない、
といいます。
②スキルと③モラルは、
個々人が自ら時間をかけて
涵養し身につけるべき要素であると。
情報という切り口から、
これら三要素の関連性を読み解いてみましょう。
■テクニック
テクニックは、ある意味で情報と同じです。
そして、インターネットで得られる情報の99.99パーセントが
どうでもいい情報であるように、
ネットや書籍、あるいは場合によっては
教材やレクチャー等で教えられるテクニックでさえ、
そのほとんどが、
無価値であることが少なくありません。
世に氾濫するテクニックのほとんどは、
それだけでは価値がありません。
情報が選択され、
ほかの知識に照らされて吟味・検証され、
ようやく知識に格上げされるように、
テクニックも、
雑多な山の中から見いだされ、
検証され、
そして
磨かれてようやく使えるテクニックになります。
バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァンのミッションは、
テクニックを精査・検証し、
必要に応じてモダナイズする。
その上で
クラスやセミナー、
書籍を通して正しく使われるように
世の中に流布することにあります。
■スキル
「知識」は、統合され、
経験と情緒が加味されて、
その人の「教養」へと
昇華されていきます。
同様に、
学習されたテクニックは、
他のテクニックと統合され、
使用され、
経験知として血肉に蓄えられていきます。
テクニックは一般に
人に伝えることができますが、
この血肉となったテクニックは、
もはやその全貌を他人に伝えることができません。
その段階のテクニックは、
もはやテクニックではなく、
スキル(技)と呼ばれます。
テクニックは、
スキル(技)にまで昇華されたとき、
その人のスタイルやセンスの形成に
大きくかかわってきます。
■モラル
「情報」が「知識」に格上げされ、
さらに「教養」にまで高められると、
そこから価値(バリュー)が生み出されます。
価値のなかにはとうぜんモラルも含まれます。
高いモラルの背景には、
高い「教養」があるとされるのは
こういうことなのです。
古来、国をリードしてきた名政治家や有能な外交官、
あるいはリーダー、会社のトップのなかに
教養人が多いのは、
必然の結果なのです。
ということで、
「テクニック」「スキル」「モラル」は
それぞれが互いにまったく独立しているわけでなく、
占星術を学ぶ階梯でもあることがわかります。
それは、
ネット社会における「情報」「知識」「教養」との関係と
たいへんよく似ています。
そして、
インターネットを中心に「情報」の交換ばかりが行われ、
その吟味、「知識」への格上げ、
そして「教養」への昇華がほとんど行われなくなった昨今、
占星術も、「情報」として切り売りされ、
ついに情報商材として扱われるにまで至り(墜ち)ました。
占星術 = テクニック(という情報商材)
このように
占星術が薄っぺらにとらえられるようになったことの
証(あかし)でもあろうと思われます。
KNラオはそれを指して、
“Facebook, Webinar, YouTube are destroying astrology”
(フェイスブック、ウエビナー、YouTubeが占星術を破壊している)
と生徒達に警告を発していたのかも知れません。
そういう時代を反映してか、
「スパイを送り込んでテクニック(情報)を盗みさえすれば成功できる」
と考える無教養で皮相浅薄な「先生」たちが、
ネットを中心に繁殖しているんじゃないかなぁ~
と心配です。
ということで、弟子をわたしのコースに送り込むのはもうやめてくださいね!