出展
雑誌:“Owing a House – An Astrological Study” Journal of Astrology, July-September 1999, pp.275-288
著者:M.S.Mehta (I.F.S. Retd.)
事例1:ネルー首相
「銀のスプーンを口にくわえて生まれてくる」という表現が英語にあるように、
世の中には生まれながら幸運な人たちがいます。
幸運な子供を授かるのは、両親にとっても幸運です。
そういう子供は、性格は素直で優しく、物質的にも恵まれ、ぜいたく品に囲まれて育ちます。
ジャワハールラル・ネルーはその典型です。
ネルーのホロスコープを紹介しましょう。
ネルーは、ぜいたく品に囲まれ、テニスコートとプール付きの大邸宅で甘やかされて育だてられましたが、ネルーの父親は裕福ではなく、貧しい人たちが住む地域に住んでいました。
ネルーが生まれ、この宮殿のような大邸宅に移り住むようになった理由をKNラオは『The Nehru Dynasty』(1993)のなかで次のように書いています。
水星と金星が天秤座の4室に在住し、(ネルーは)ぜいたくな家で暮らすように運命づけられていた。
ネルーの水星/金星期、ネルーの父親はもっとましな地域に転居し、
そして水星/ラーフ期(1897年-1900年)、ネルー一家はかの有名なアナンダ・バヴァンに移り住むことになった。
4室には水星が在住し、水星期の変化をよく理解できる。
12室を支配する水星が4室に在住するのは、家を変えるコンビネーションである。
なぜラーフのアンタルダシャーだったのかについては、このように理解できる。
ラーフは12室に在住するが、12室は9室から数えた4室である。
9室は父親で、9室から見た4室に在住するラーフに木星がアスペクトし、
ネルーの父親にアナンダ・バヴァンという大邸宅をもたらした。
アシュタカヴァルガを見てみましょう。
4室のサルヴァーシュタカヴァルガのビンドゥーは30点です。
そして4室を支配する金星はムーラトリコーナの星位にあり、そのビナーシュタカヴァルガのビンドゥは6点です。
家のカーラカである火星のビナーシュタカヴァルガのビンドゥは6点です。
しかし火星は敵対する惑星が支配するハウスに在住しています。
おそらくこれが原因で、他の政治家のとは違ってネルーは不動産をため込んだりしませんでした。
ジェイミニで見ると、 カーラカーンシャ・ラグナ (射手座)から見た4室と1室には火星、強い木星、そして高揚するラーフ*がアスペクトしています。
やはり宮殿のような家を所有するのにふさわしいコンビネーションです。
*サルヴァーシュタカヴァルガ(सर्वाष्टकवर्ग )の平均点は28です。30以上は良いとされます。
*ビナーシュタカヴァルガ(भिन्नाष्टकवर्ग )の平均はおよそ4です。5以上は良いとされます。
*メータ先生はラーフの高揚をとりますが、ラオ先生はとりません。(清水)
(つづき)
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。