ダシャー

結婚のタイミング4:ケース・スタディ

事例をいくつか紹介しましょう。

出典

著書:『Astrology and Timing of Marriage』(2008)
著者:Meenakshi Priyadarshini et al.
指導・監修:KNラオ

事例1(Case 1 p.21):ビル・クリントン

∮分析

前回までに紹介した10のパラ-メータ(P1~P10)を検証します。

P1: ラーフ/土星/金星期に結婚しました。マハーダシャー・ロードの金星は出生図(D1)では金星の星座に在住しています。ラーフと金星は結婚をもたらします。アンタルダシャー・ロードの土星はラグナ・ロードの水星とコンジャンクトし、ラグナにアスペクトしています。プラティアンタルダシャー・ロードの金星はラグナに在住しています。金星は生来的な結婚のカーラカです。P1のパラメータは条件を満たしています。

P2:チャラダシャーは射手座/牡羊座です。アンタルダシャーの牡羊座はDK(Ju)とDKNの1-7軸にあたります。

P3:結婚当時、木星は7室の魚座をトランジットしていました。ヴィヴァーハサハム(VS)は山羊座にあるので木星とVSとの絡みは成立していませんでした。

P4:結婚当時、土星は蟹座をトランジットし、そこからラグナにアスペクトしていました。木星は7室の魚座をトランジットしていました。

P5:ラグナロードの水星はラグナをトランジットし、7室にアスペクトしていました。7室の支配星とラグナロードはトランジットでアスペクトしあっていました。

P6:トランジットの木星は魚座から金星にアスペクトしていました。

P7:太陽を含む6つの惑星がラグナと7室の周辺に集まっていました。

P8:ラグナ・ロードの水星は1室をトランジットし、7室を支配する木星は7室をトランジットしていました。

P9:月は射手座をトランジットしていました。ラグナ、ラグナロード、7室、7室の支配星とは絡んでいません。しかし射手座はカーラカーンシャラグナ(KL)です。月はもうひとつのラグナと絡んでいるといえます。

P10:蟹座をトランジットしていた土星は、天秤座に在住するネータルの木星(DK)にアスペクトしていません。

事例2(Case 3 p.24)

∮分析

P1: 土星/土星/ケートゥ期に結婚しました。マハーダシャー・ロードとアンタルダシャー・ロードの土星は出生図(D1)ではラグナ・ロードです。プラティアンタルダシャー・ロードのケートゥは9室に在住し、ラグナ・ロードの土星にアスペクトされています。

P2:チャラダシャーは乙女座/牡牛座でした。アンタルダシャー・ラーシの牡牛座には、山羊座からダーラーパダ(DP)*がアスペクトしています。(*パダのアスペクトをとらない人もいます。)

P3:VSは蟹座にあり、木星は獅子座をトランジットしています。木星は逆行しているので、ひとつ前の星座(蟹座)に影響を及ぼしていると考えることができます。トランジットの木星がVSを活性化していました。

P4:土星はラグナロードです。蠍座をトランジットする土星はラグナにアスペクトしていました。土星は逆行しているので、ひとつ前の星座、すなわち天秤座にも影響を及ぼしていたと考えることができるので、7室を支配するネータルの月とネータルの土星に、ラグナ・ロードの土星がトランジットで絡んでいたといえます。ネータルのラグナロードもネータルの7室の支配星も、トランジットの土星と絡んでいたことになります。そしてトランジットの木星は獅子座からネータルのラグナロードの土星にアスペクトしていました。木星も逆行していたので、蟹座から魚座にアスペクトしていたということもできます。このように、木星と土星のダブルトランジットがラグナと7室にできていました。

P5:ラグナロードの土星は蠍座をトランジットし、7室の支配星の月は魚座をトランジットしていました。4月23日まで月は山羊座をトランジットして土星のアスペクトを受けていました。LLと7Lとのコネクションは結婚前に生じていたことになります。

P6:ネータルの金星は蠍座に在住し、トランジットの木星は獅子座にありました。木星は逆行していて、蟹座からネータルの金星にアスペクトしていました。

P7:結婚当日、9つの惑星のうち2つしからラグナ及び7室の周辺にトランジットしていませんでした。

P8:7室を支配する月は、結婚式の4~5日前にラグナの山羊座をトランジットしていました。

P9:トランジットの土星はDKの水星の上をトランジットしていました。

P10:マハーダシャーとアンタルダシャーを支配する土星はナヴァーンシャ(D9)で11室支配の土星の上をトランジットし、11室にアスペクトしていました。

本書では、Case2(p.23)でヒラリー・クリントン(双子座ラグナ)のホロスコープが扱われています。2016年11月の大統領選の後、ヒラリー・クリントンのホロスコープは双子座ラグナではないとする議論がBVBで噴出しているようです。そういうこともあり、いまのところ不確定なホロスコープとしてここで掲載するのを避けました。

(おわり)

※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。

ジョーティシュ・サンクチュアリー │ ヴリンダーヴァン
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