リンク: バーラティーヤ・ヴィッディヤー・バワン (भारतीय विद्या भवन)
1993年、Sh.K.N.ラオが米国ヴェーダ占星術協会(ACVA)*に招ねかれてアメリカを訪れた際、全米各地で行われたセミナーはつねにSh.K.N.ラオの講演を聴きに集まった人々であふれていました。しばしば真夜中近くまで続いた質疑応答では、Sh.K.N.ラオの講話を一言も聴き逃すまいと、トイレに行きたくても行けずにいた人々がたくさんいたといいます。
このときのSh.K.N.ラオの訪米がいかに画期的であったかは、当時ACVAの会長だったデヴィッド・フローリーの「Before Rao and After Rao(ラオ以前とラオ以後)」という言葉からわかります。Sh.K.N.ラオの訪米によって、アメリカのヴェーダ占星術の景観が一変してしまったのです。
「 インド占星術はよくあたる」という評判はいまでこそよく聞くようになりましたが、そもそもファミリー・シークレットとしてバラモンの家系のなかで密かに伝承されてきたインド占星術が世界に広く認知されるようになったのは、BVラーマンの貢献でした。
そして、インド占星術を学問として確立し、テクニックを収集し、洗練し、体系化し、その水準を著しく向上させたのは、Sh.K.N.ラオです。
BVラーマンとSh.K.N.ラオは、20世紀における(おそらく21世紀においても)インド占星術の二大巨星として名を残すことでしょう。
もしこの二人の存在がなければ、私たちはいまこうしてインド占星術を学ぶことができなかったはずです。
そのSh.K.N.ラオが、1987年にトップ・アドバイザーとして招かれ、デザインから設立、運営のすべてをまかされてきたのが、世界最大の規模と最高の水準を誇る占星術学校、バーラティーヤ・ヴィッディヤー・バワン(以下、BVB)の占星術コースです。
当時たった数名の教官と20数名の生徒で始まった占星術コースは、25年を経た2012年現在、約1,200名の生徒と30名の教官を擁する世界最大の占星術学校に成長しました。
BVBの占星術コースはたいへん優れた教育機関であるだけでなく、たいへん優れた研究機関でもあります。BVBのリサーチ・コースで生産される大量の研究成果の一部は、1997年から同校が発行している隔月誌JOA(Journal OF ASTROLOGY)に掲載されるほか、必要に応じて書籍としてまとめられ、出版されています。
同校の占星術コースにはレベルに応じて3つのコースがあります。
①アランカー(1年目)
②アーチャリア(2年目)
③リサーチ(3年目以降)
BVBに入学が許されると、まず①のアランカーと②のアーチャリアのコースで2年間かけてインド占星術をみっちり学びます。
参考: アランカー・コースとアーチャリア・コースのシラバス(科目ごとの要旨)
アーチャリア・コースを修了すると、③のリサーチ・コースに進むことが許されます。
リサーチコースは、それまでのアランカーとアーチャリアで培った知識とテクニックを使って自分のリーディングのスタイルを確立していく段階です。
リサーチ・コースには10年を超えて在籍する人も珍しくありません。
私(清水)は2009年から同校に在住し、アーチャリアをGroupⅠの成績で修了し、アランカーに半年在籍した後、2010年10月からリサーチ・コースに在籍しています。
2011年からは、私は同校の教官を日本に招聘して占星術のセミナーを開いています。
– 2015 BVBセミナー@JAPAN (講師: ディーパック・ビサリア)
– 2014 BVBセミナー@JAPAN (講師: ディーパック・ビサリア)
– 2013 BVBセミナー@JAPAN (講師: ディーパック・ビサリア)
– 2012 BVBセミナー@JAPAN (講師: K.N.ラオ)
– 2011 BVBセミナー@JAPAN (講師: ディーパック・ビサリア)
ちなみに、占星術コースの教官はみんなボランティアで、給料のようなものは受け取っていません。報酬はBVBの教官を務めるという<名誉>だそうです。
*ACVA: American Council of Vedic Astrology。この組織はやがて発展的に解消し、Amecian College of Vedic Astrology へとトランスフォームしてしまったようです。
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~ バーラティーヤ・ヴィディヤー・バワン占星術コースの設立趣意 ~
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バーラティーヤ・ヴィディヤー・バワン・ニューデリー校の占星術コース(Institute of Aastrology, Bharatiya Vidya Bhavan, New Delhi)は、世界標準に達する高いレベルの教授陣を擁し、彼らの献身的な努力により、ヴェーダの聖なる知識を授けるだけでなく、高い規律を守ることの 意義を広め、学ぶ者がスキルにおいて秀でるだけでなく、倫理においても鍛えられることで、人類の生活の質的向上に貢献することを目標としています。
私たちがおこ なう占星術は、厳密に古典にのっとっています。
したがいまして、グラハ・シャンティ、宝石、カーラ・サルパ・ドーシャ、などの処方を支持しません。それらの処方 は、こんにち様々なメディアを通して広く流布されていますが、ブリハット・パラーシャラ・ホラ・シャーストラ*には一切触れられていないからです。
*ブリハット・パラーシャラ・ホラ・シャーストラ (Brihat Parashara Hora Shastra): インド占星術の父、聖仙パラーシャラが約5000年前に著したとされるインド占星術の古典。27あるとされるインド占星術の古典の中でもっとも権威ある古典とされています。BVBでもこのBPHSをもっとも重視しています。
Prospectus(便覧)からの訳出