KNラオ『ジェイミニ上級編』の「はじめに」から

『Advanced use of Jaimini Chara Dasha』の「はじめに」からの引用です。

はじめに

本書『Advanced use of Jaimini Char Dasha』を書くと約束してから20余年が閲(けみ)しました。わたしは最低でも10のジェイミニのラーシ・ダシャー（राशि दशा）とナヴァーンシャ・ダシャー（नवांश दशा）を使ってきました。そして最後に、チャラ・ダシャー（चर दशा）をはじめとするラーシ・ダシャーをプロモートすることにしました。

ナヴァーンシャ・ダシャーにはまだ計算上の未解決問題が残っているからです。たとえば、パダナダムシャ・ダシャー（पदनधम्श दशा）は１年間のダシャーと7年間のダシャーと11年間のダシャーが欠落しています。それは欠陥です。パダナダムシャ・ダシャーについて記事を書いてきたジェイミニの専門家は、その用法を明らかにする記事やリサーチを書いたことがありません。かれらは、様々なダシャーの輪郭をつまみ食いのように書き散らし、それぞれについて実例をひとつ示して終わりです。かれらは、正当で具体的なダシャーの実用方法を提示したためしがなく、混乱を巻き起こしてばかりいます。

マンドゥーク・ダシャー

とはいってもやはりサンスクリット学者らはとんでもない混乱を引き起こし、ときには信じられないこともしでかします。シーターラーマ・ジャーはジェイミニのマンドゥーク・ダシャーの説明で、ケーンドラからケーンドラのハウスに、つまり1室、4室、7室、10室の順にダシャー・ラーシが推移し、イランガンティ・ランガーチャーリヤ（इरङ्गण्टि रङ्गाचार्य）のトリコーナ・ダシャー（त्रिकोण दशा）とは違う方法を示しました。わたしはシーターラーマ・ジャーの方法を採用し、数年間格闘しました。しかしどちらもそれぞれの方法を使ってどうやってプレディクションを行うのかを具体的に示していません。

その一方でわたしは故ヴェムリー・ラーマムールティ・シャーストリー（वेमुरी राममूर्ति शास्त्री）がアーンドラ・プラデーシュ州のある政治家（たまたまかれはわたしの鑑定を求めてわたしに会いに来たことがあります）のために行った予言が書かれた紙を目撃する機会がありました。ヴェムリーのマンドゥーク・ダシャーはシーターラーマ・ジャーのダシャー・ラーシの推移の仕方は同じですが、ダシャーそれぞれの期間（年数）は違いました。ヴェムリーはマンドゥーク・ダシャーを条件付きのコンディショナル・ダシャーとしていましたが、シーターラーマ・ジャーは一般的なダシャーとしていて、そこも違いました。わたしはダシャーの推移の仕方についてはシーターラーマ・ジャーの方法を採用し、計算についてはヴェルミーの計算結果を参考にしながらマンドゥーク・ダシャーを完成させて使ってみたところ、たいへんすばらしい結果が得られました。

世の中にはポッと出でジェイミニの本を書く人がいます。いまだかつてリサーチでなんの貢献もしたことがないのに、ジェイミニの正しいダシャーの計算法・運用法を見つけたと主張して本を書く人たちです。かれらは第三者が検証できるかたちのリサーチを行ったことがありません。わたしは常にリサーチを行うことを心がけ、ときにはその成果を本のかたちで公表し、第三者からの反証を受け入れてきました。拙著『Mandook Dasha』（清水俊介訳『ジェイミニ・チャラ＆マンドゥーク・ダシャー』）のセクション３の第2章では、ラージーヴ・ガーンディーの一生に起きた出来事をマンドゥーク・ダシャーで説明しましたが、かれらも「かれらのマンドゥーク・ダシャー」を使って、ラージーヴ・ガーンディーの、たとえば結婚と死を説明してみればわかります。同じホロスコープとカーラカを使い、トリコーナ式にジャンプする「かれらのマンドゥーク・ダシャー」で説明しようとするとうまくいきません。かれらはカーラカを一切使いません。ときおりパダを使う人もいますが、パダの計算で誤った方法を採用しているので、不都合なところはいつも逃げ腰気味にさらっと薄く説明してごまかしています。

現実的なアプローチ

わたしは常に現実的なアプローチを好みます。新しいダシャーを試すとき、まずそれを使ってプレディクションを行い、フィードバックを待ってプレディクションが的中したかどうかを確認し、的中例が20以上になってようやく本を書きます。わたしと一般の作者との違いは、わたしは世界最大の占星術学校で教え、たいへん知的水準の高い生徒を相手にしていることです。わたしは、わたしの計算方法を、学期が変わるごとにかれらに納得させ続けなければいけません。そうやってわたしはこれまでの28年間、バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァンの占星術コースで成功を収めてきました。

本書

話題を本書にもどします。わたしは多くのリサーチを公開してきました。20年間、わたしの生徒たちが検証を重ね、彼ら自身がそのリサーチの成果を用いてプレディクションを的中させてきた実績があります。このように検証された方法論をわたしが公開するとき、衒学的に装ったり、サンスクリット語の古典籍からの引用を散りばめて読者を煙に巻くようなことをわたしはしません。

だれに公開し、だれに秘匿するのか？

わたしが行ってきたリサーチをあまり多く公開しすぎるのは、そのリスクを考慮するとけっして賢明なことではないとわたしは考えています。その理由は、占星術の理解が浅いままに性急に鑑定をはじめてクライアントを恐怖させたり、あるいは家族のホロスコープを見て恐怖するような生徒が常にいるからです。占星術を密教化するにはそれなりの理由がありますが、しかしかといって占星術を完全に秘匿してだれにも教えないという態度も間違っています。なぜなら、変化し続ける社会に占星術の法則が追いつけず、占星術の停滞をもたらしてしまうからです。

したがってわたしは一部のリサーチについては、道徳、占星術の知識、そして知性の基準を満たした選ばれた生徒だけに教えることにしています。

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では、無料動画コースの第1回から第6回までをご笑覧ください。

第01回：イントロ（11:32）

第02回：著者について（17:35）

第03回：本書の目的（08:46）

第04回：惑星（02:26）

第05回：影の惑星（06:56）

第05回：星座（07:00）

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1:イントロ (11:32)
2:著者について (17:35)
3:本書の目的 (8:46)
4:第１章　惑星 (2:26)
5:第１章　影の惑星 (6:56)
6:第１章　星座 (7:0)　←　これ以降の動画を視聴するにはメルマガに登録する必要があります。
7:第１章　練習問題 (4:2)
8:第１章　ナクシャトラ (8:58)
9:第１章　練習問題 (3:23)
10:第１章　練習問題 (5:35)
11:出生データ (9:27)
12:惑星と星座 (3:58)
13:第２章　高揚と減衰 (10:33)
14:第２章　ムーラトリコーナ (5:49)
15:第２章　友好と敵対① (12:44)
16:第２章　友好と敵対② (12:41)
17:第２章　友好と敵対③ (10:11)
18:第２章　惑星の星位 (8:47)
19:第２章　アセンダント (8:9)
20:第２章　アスペクト (4:42)
21:火星のアスペクト (3:17)
22:土星のアスペクト (2:19)
23:木星のアスペクト (1:48)
24:第２章　月とジャンマナクシャトラ (12:22)
25:PACのP（ポジション） (3:19)
26:PACのA（アスペクト） (4:54)
27:PACのC（コンジャンクション） (2:47)
28:第２章　エリザベス女王のホロスコープ (19:26)
29:第２章　エリザベス女王のホロスコープの解釈 (4:15)
30:第２章　占星術の基本原則　ハウスの種類 (3:37)
31:第２章　注意 (4:51)
32:第３章　惑星と精神性（太陽） (6:49)
33:第３章　惑星と精神性（月） (4:24)
34:第３章　惑星と精神性（火星） (5:31)
35:第３章　惑星と精神性（水星） (4:10)
36:第３章　惑星と精神性（木星） (5:48)
37:第３章　惑星と精神性（金星） (2:44)
38:第３章　惑星と精神性（土星） (2:49)
39:第３章　惑星と精神性（ラーフとケートゥ） (3:7)
40:ダシャーヴァターラ (3:27)
41:第３章　惑星の象意（太陽） (3:28)
42:第３章　惑星の象意（月と火星） (3:9)
43:第３章　惑星の象意（水星） (2:27)
44:第３章　惑星の象意（木星） (2:5)
45:第３章　惑星の象意（金星） (3:47)
46:第３章　惑星の象意（土星） (7:48)
47:第３章　惑星の象意（ラーフとケートゥ） (4:22)
48:第３章　ハウスと精神性（１室） (12:5)
49:第３章　ハウスと精神性（２室） (5:6)
50:第３章　ハウスと精神性（３室） (3:4)
51:第３章　ハウスと精神性（４室） (2:32)
52:第３章　ハウスと精神性（５室） (2:39)
53:第３章　ハウスと精神性（６・７・８室） (5:31)
54:第３章　ハウスと精神性（９室） (7:39)
55:第３章　ハウスと精神性（１0室） (5:40)
56:第３章　ハウスと精神性（１1室） (6:31)
57:第３章　ハウスと精神性（１2室） (10:16)
58:第３章　ハウスからなにがわかるか（１室～４室） (9:38)
59:第３章　ハウスからなにがわかるか（５室～８室） (8:55)
60:第３章　ハウスからなにがわかるか（９室～12室） (7:23)
61:第３章　ラーシからなにがわかるか～星座のおはなし (12:56)
62:第３章　DARESメソッド (7:33)
63:第３章　ダナ・ヨーガの概略 (6:21)
64:第３章　ダナ・ヨーガの事例１～２ (4:56)
65:第３章　ダナ・ヨーガの事例３～４ (3:51)
66:第３章　ダナ・ヨーガの事例５～７ (2:56)
67:第３章　ダナ・ヨーガの事例８～９ (4:10)
68:第３章　ダナ・ヨーガの事例１０ (7:53)
69:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ） (12:0)
70:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例１ (3:23)
71:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例２ (2:57)
72:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例３ (3:52)
73:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例４ (3:6)
74:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例５ (2:49)
75:第３章　アリシュタ・ヨーガ（不幸のヨーガ）事例６ (6:46)
76:第３章　ラージャ・ヨーガ（成功のヨーガ）概略 (13:9)
77:第３章　ラージャ・ヨーガ（成功のヨーガ）事例１ (3:6)
78:第３章　ラージャ・ヨーガ（成功のヨーガ）事例２ (10:35)
79:第３章　ラージャ・ヨーガ（成功のヨーガ）事例３ (4:57)
80:第３章　ラージャ・ヨーガ（成功のヨーガ）事例４ (3:24)
81:第３章　星座交換 (3:55)
82:第３章　星座交換　事例 (3:32)
83:第３章　特別なヨーガ１ (6:24)
84:第３章　特別なヨーガ２ (7:54)
85:第４章　月の重要性　事例１ (15:52)
86:第４章　月の重要性　事例２ (8:45)
87:第４章　月の重要性　事例３ (16:36)
88:突然大金をゲット (8:27)