西日本・東海豪雨での人的被害は
現段階で、122人が死亡、57人が安否不明だそうです。
平成に入って最悪の被害を出しています。
被災者の方々にお悔やみとお見舞いを心より申し上げます。
さて
今回の豪雨災害から教訓を得ることが私どもの役目のひとつでありましょう。
占星術でそれができるのでしょうか?
今回の豪雨災害を以下の視点から検証してみましょう。
- 建国図
- ヴァルシャファラ・チャート
- スーリヤヴェーディ・チャート
- クールマ・チャクラ
- サプタナーディー・チャクラ
- ジェーシュタ・クリシュナパクシャ・プラティパーダ
- ローヒニー・ヨーガ
これらはマンデーン占星術の標準的なテクニックです。
建国図
さて、わたしとKNラオ、およびビサリアジが2010年に特定した日本建国図(↓)によれば
2018年4月9日から8月18日まで水星/木星/土星のダシャーです。

水星は4室の魚座で減衰し、
木星は4室を支配し、
土星は10室から4室にアスペクトしています。
ダシャーの支配星はすべて4室(国土や建物)に絡んでいます。
国土や建物を表すチャトルターンシャ(D4)では、
やはり
水星は4室を支配し、
木星は水星とアスペクトして
4室と絡んでいます。
土星は、12室でケートゥとコンジャンクトしています。
ヴァルシャファラ・チャート
次に、今年の日本の2018年を占うときに使用される
2018年の日本のヴァルシャファラ・チャート(下図)では
破壊や大量死のコンビネーションが現れていました。

ヴァルシャファラ・チャートとは、
トランジットの太陽が日本建国図の太陽と重なる瞬間のホロスコープですが、
その年に起こることを見るのに使われます。
スーリヤヴェーディ・チャート
太陽が星座を移行するときのチャートを
スーリヤヴェーディ・チャートと呼びます。
向こう1ヵ月を予測するときに使われるトランジット・チャートです。
災害が起きる前で直近のスーリヤヴェーディ・チャートは以下の通りです。

国土と建物を表す4室には
火星とケートゥが在住し
8室を支配する金星にアスペクトされ
4室は深く傷ついています。
ラグナは天秤座ですが、天秤座の方角は西です。
今回の災害は西日本に集中しました。
(下図:方角と星座)

つぎに
惑星及び星座と水の量との関係は次の通りです。

ラグナは天秤座で水量は25%、
そこには木星(水)が在住しています。
さて次は、
このスーリヤ・ヴェーディ・チャートから導出される2つのチャクラ
- サプタナーディー・チャクラ
- クールマ・チャクラ
を見てみましょう。
サプタナーディー・チャクラ
インド占星術には天候占星術と呼ばれる分野があります。
天候を予測するときに使われるチャクラです。
スーリヤヴェーディ・チャートの配置に従って
惑星をこのチャクラに配当したのが下図です。
水色の領域、すなわち
Neera、Jala、Amrita
は降雨を表すカテゴリーです。
雨量は
Amrit > Jala > Neera
の順に従います。
7つの惑星のうち5つがこれら降雨を示す領域に配当されています。
これは、
このスーリヤヴェーディ・チャートが示す期間(2018年6月15日~7月17日)、
日本では雨量が多くなることを示しています。
重要:このサプタナーディ-・チャクラは、インドでしか使われないとされています。
今回、たまたま日本でも使えましたが、まぐれだったかも知れません。
今後多くのケースを通じて適用の可否を検討する必要があります。
クールマチャクラ
スーリヤヴェーディ・チャートのラグナは天秤座で西を示しています。
では、方角を見るのに使われるクールマ・チャクラで見てみましょう。
スーリヤヴェーディ・チャートの配置に従って
惑星をクールマ・チャクラに配当すると下図のようになります。
西の方角(赤線のボックス内)に3つの惑星(Ma,Ke,Sa,Ju)とアセンダント(As)が配当され、
東の方角に4つの惑星(Mo,Me,Ve,Ra)が配置され、拮抗しています。
こういうとき、
東あるいは西の方位が活性化していると解釈できます。
とくに
西方向には凶星が集中していて、
西の方角に好ましくない事象が発生することを示しています。
ジェーシュタ・クリシュナパクシャ・プラティパーダ(満月図)
次に、満月図を見てみましょう。
災害の一番直近の満月図は、以下の通りです。
※太陽(Su)と月(Mo)が同じ度数(12:21)で正反対に対峙するときは満月です。
この満月図は、次の2週間に何が起きるかを見るためのチャートです。
スーリヤヴェーディ・チャートと同じ天秤座(水25%、西方向)ラグナですが、
双子座(0%)にあった水星は蟹座(100%)に、月は射手座(50%)に移動しています。
一般に天候のカーラカの水星が
星座を移行するとき
天気が変化する傾向があります。
このチャートの場合、
その移行先の星座は、
水100%の蟹座です。
しかも
もっとも驚愕に値するのは、
太陽、月、火星、ケートゥの4つもの惑星が
ムリチュバーグ(MB)という致命的な度数にあることです
ローヒニー・ヨーガ
もうひとつ、
この満月図の直後、
ローヒニ・ヨーガが形成された事実も指摘しておきましょう。
ローヒニヨーガは、ジェーシュタ・クリシュナパクシャの2週間の間で
月がウッタラーシャダーをトランジットするときの天候が
「多くの雲で覆われ、ところどころ蛇のように白く、またところどころ暗く」
あるいは
「日の出や日の入り前後の空が赤みがかった雲に覆われて稲妻が轟く」
なら
モンスーン(雨期)に大量の降雨が期待できる
とされています。
このジェーシュタのクリシュナ・パクシャに月がウッタラーシャダーを通過したのは6月30日頃でした。
そのときの天気図は以下の通りです。

この天気図が示すとおり、西日本には梅雨前線がかかっており
まちがいなく雲に覆われていました。
ただ、解釈はインドのそれをそのまま風土の全く異なる日本に当てはめていいとはいえません。
しかし、興味深いですね。
さて、このようにインド占星術におけるマンデーン占星術には驚くほど多くのチャートと技法が存在します。