『ラオ先生の弟子たちが書いたインド占星術の教科書~的中予言集』(仮題)
(सफल भविष्यवाणियां)を翻訳しています。
ご覧の通りヒンディー語で書かれた書籍なので翻訳に時間が掛かります。
実は同書の第1章だけを訳出した電子書籍「本場BVBのインド占星術家が実例で教えるホロスコープの読み方PART1:教育編」があります。
今回は、残りの章をすべて訳出し、ペーパーバックとして新たに出版します。
ケース1: 逆行惑星と職業
クリシュナ・クマール・ジョーシー 著
昔から ホロスコープを作成する際にわたしが何度も参照してきたシュローカ(双句/शुलोक)があります。それは次です。
उदये सुखदा ज्ञेया वक्रे देशान्तरप्रदा
मार्गे आरोग्य कर्तारौ अस्ते माननाशका ॥
すなわち、上昇する惑星は幸運です。逆行する惑星はその逆です。順行する惑星は健康をもたらし、コンバストする惑星は力を失います。もしこの経典の文字通りの意味を柔軟に適用するなら、適切な助言を相談者にすることができます。
逆行する惑星については、以下のように解釈することができます。
① 逆行する惑星があると、○○○が繰り返される。
② 逆行する惑星があると、○○の結果が出る。
この記事では、法則を適切に適用して予言が的中した事例を紹介します。ホロスコープを見るとき、必ず分割図とダシャーなどを総合的に分析してください。
ホロスコープ:双子座ラグナです。1993年1月、仕事上の問題の参考にするために、かれはわたしの助言を求めてきました。ホロスコープの分析は4つの段階があります。
プリシュタブーミ(背景/पृष्ठभूमि):ネーティブによると1年前から失業をしています。その前にも仕事を転々としています。1993年2月から新しい仕事に就きます。質問は「その仕事は1993年2月から始まりますが、続けることができるでしょうか?」でした。
クンダリー・ヴィシュレーシャン(ホロスコープの分析/कुंडली विश्लेशण):ラーシ(D1)の10室には、5室と12室を支配する金星と、8室と9室を支配する土星がアスペクトしています。10室を支配する木星は11室で逆行しています。木星は、ナヴァーンシャ(D9)で自室の10室に在住しています。月から見ると、10室を支配する火星に、8室を支配する土星がアスペクトしています。仕事が安定しなかった理由は、8室の支配星が10室や10室の支配星と絡んでいることと、10室の支配星が逆行していることにあります。もうひとつの理由は、10室の支配星(木星)とラグナ・ロード(水星)がダシャーンシャ(D10)で減衰していることにあります。
ダシャー(कुंदशा):太陽/木星期でした。雇用は1993年9月23日まで有効でした。
マハー・ダシャー・ロードの太陽は3室を支配して3室でラグナ・ロードの水星とコンジャンクトし、10室を支配して逆行する木星にアスペクトされています。3室は転勤のハウスとして知られています。ダシャーンシャ(D10)では、太陽は10室を支配しています。
アンタル・ダシャー・ロードの木星は10室を支配して11室で逆行しています。木星は、ダシャーンシャ(D10)では減衰し、職業の安定という点では良くありません。つまり、ネイティブが仕事を始めるとき、アンタル・ダシャー・ロードは逆行する、10室の支配星です。
ゴーチャラ(トランジット/गोचर): 2月の初めには土星が8室をトランジットし、10室にアスペクトしていました。8室から土星が10室にアスペクトするのは、仕事の安定にとって好ましくありません。しかし変化を起こすという点では好都合です。木星は乙女座をトランジットし、そこから10室にアスペクトしています。10室の支配星のアンタル・ダシャーで、木星と土星が10室にアスペクトし、仕事に就けました。しかし仕事が安定するかについては可能性は大きくありません。一番重要な事実は、仕事を始めるときに木星は逆行していた(1993年1月29日から)ということです。
結論と顛末:ホロスコープのコンビネーションと当時のダシャーは、仕事が安定することをまったく示していません。したがって逆行する木星のアンタル・ダシャーで木星が逆行するときに始まった仕事は木星が順行に戻るまでに終わります。そして1993年5月29日に木星は逆行から順行に戻ります。そのときまでネイティブは問題ありませんでしたが、上司と意見が対立して1993年6月3日にネイティブは仕事を辞めなければいけませんでした。このように、逆行する惑星のアンタル・ダシャーで、その惑星が逆行しているときに就いた仕事は、その惑星が順行に戻ると終わりました。
(筆者はバーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァンの教官です)
ところで
インド占星術の重要な参考書をペーパーバックで発行する活動を
去年の9月からはじめて一年たちました。
これまでに出版した12冊のペーパーバックを紹介しておきます。
①ラオ先生のやさしいインド占星術~入門編~
88回の無料動画講座はこの本に沿って進みます。
②ラオ先生のやさしいインド占星術~基礎知識編~
入門編を終えたら、この基礎知識編でさらにインド占星術の機微を学んでください。
とくに『ラグ・パラシャリ』と『マッディヤ・パラシャリ』の部分は何度も読み返して覚えてください。
③ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~ヴィムショッタリー・ダシャーが明かす人生のタイムライン
『入門編』と『基礎知識編』にはダシャーの解説がやや不足しています。
ダシャーはインド占星術で最も重要な要素ですが、本書でダシャーについて詳しく学びましょう。
④ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~ダブル・トランジットが明かすキャリアの浮き沈み
ダシャーにトランジットを併用することで出来事が起きるタイミングを予測する精度が大きく向上します。トランジットの技法のなかで最も重要なダブル・トランジットについて多くの事例を用いながら詳しく解説しています。
⑤ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~占星術が明かすカルマと輪廻転生
スピリチュアル占星術に関する本です。
スピリチュアル占星術がカバーする分野は、1)カルマ、2)生まれ変わり、3)ヨーギー(修行)の3つがあるとされ、本書は1)と2)を扱います。
⑥ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~ジェイミニのチャラ&マンドゥーク・ダシャー
ジェイミニ占星術の入門書。
高い精度の鑑定をしたければ、パーラーシャラとジェイミニの併用、すなわちコンポジット・メソッドを採用しましょう。このテキストは、ジェミニ占星術を学ぶ上での最良の教科書です。
⑦ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~占星術が明かす妊娠と出産のカルマ
⑧ラオ先生の弟子が書いたインド占星術の教科書~選択占星術 ムフールタ
⑨ラオ先生の弟子が書いたインド占星術の教科書~占星術が明かす教育の適性と進路
⑩ラオ先生の元弟子が書いたインド占星術の教科書~ソーラーリターン:ヴァルシャファラ
⑪ラオ先生の元同僚が書いたインド占星術の教科書~質問占星術:プラシュナ
インド占星術のホラリーです。
⑫ラオ先生の弟子が書いたインド占星術の教科書~デジタル占星術:アシュタカヴァルガ
今後の出版予定
⑬ラオ先生の外弟子が書いたインド占星術の教科書~時刻修正(11月出版予定)
⑭ラオ先生が書いたインド占星術の教科書~ネルー王朝(12月出版予定)
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。