『ムフールタ~パート1』KKジョーシ

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インド占星術で吉日選定を扱うジャンルは、ムフールタと呼ばれます。
日本でムフールタが本格的に紹介されるのは本書が初めてではないかと思います。

 

ムフールタは、いわゆる「開運術」ではありません。

プラーラブダという運命の範囲内でベストの結果を出すための自由意志の行使、あるいは最低でも最悪を避けるための自由意志の行使の方法です。

いずれにせよ、プラーラブダに定められた範囲を凌ぐ結果をムフールタに期待するのは正しくありません。

インド占星術における自由意志の行使の典型といえば、マッチング(相性)とムフールタです。こんなはなしがあります。

あるリシ(聖仙)が結婚を決意しました。
そして最良の伴侶となるような理想の女性を探し求めました。
これはマッチングです。
しかしそれに30年の星霜を要してしまいました。
次は、やっと見つけた理想の女性と結婚するのにふさわしい最良の時期(ムフールタ)を探し求めました。
しかしそれにも30年を要し、そのうちに女性は亡くなってしまいました。

このはなしからわたしたちは、理想的なマッチングや理想的なムフールタは、まずもって得られないことを学ぶべきです。
したがってわたしは、最悪を避けることができれば良し! そういうスタンズでムフールタを用いることにしています。

日本人がムフールタを学ぶうえでの困難は主に二つあります。

ひとつは、まったく日本人にはなじみのないパンチャーンガと呼ばれるインドの暦(こよみ)の存在です。
ムフールタはインド暦に基づく学問です。

もうひとつは、伝統的なムフールタはヒンドゥー教のサンスカーラと呼ばれる16の通過儀礼を対象としています。

わたしたちはパンチャーンガとサンスカーラについてもある程度理解を深める必要があります。

本書はKKジョーシ著『MUHURTA Traditional and Modern』の第1章から第4章までを訳出し、パート1としたものです。
パート1では主にパンチャーンガをムフールタの観点から論じます。

ジョーティシュ・サンクチュアリー │ ヴリンダーヴァン
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