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ヨーギニー・ダシャーは、パーラーシャラの40以上あるダシャーのひとつです。
ヴィムショッタリー・ダシャーの1サイクルは120年間ありますが、ヨーギニー・ダシャーの1サイクルは36年間しかありません。
ヨーギニー・ダシャーのマハー・ダシャーは最長でもラーフ期(サンカター)の8年間、最短だと月期(マンガラー)の1年間しかありません。
ですから、ヴィムショッタリー・ダシャーの比較的長いダシャー、たとえば20年間の金星期や19年間の土星期、18年間のラーフ期、17年間の水星期、16年間の木星期において、タイミングを絞り込みたいとき、ヨーギニー・ダシャーを併用することでそれが可能になります。
ヨーギニー・ダシャーを使うもうひとつの利点は、ダシャーが短いので、月の経度誤差から生じるダシャーの計算誤差が、ヴィムショッタリー・ダシャーに比べて小さくて済みます。
ですので、タイミングをはかるときの精度は、ヴィムショッタリー・ダシャーよりも相対的に高くなります。
しかし、ダシャーのサイクルが短いことは短所でもあります。
ヴィムショッタリー・ダシャーは1サイクル120年間あるので、同一のマハー・ダシャーを一生のうちに2度経験する人はいませんが、ヨーギニー・ダシャーの場合、2度や3度同じマハー・ダシャーを一生のうちに経験する人は珍しくありません。
同じダシャーがめぐってくるとき、かつてそのダシャーがめぐってきたときと同じ経験をすることになるのでしょうか?
答えは、トランジットが違うので、まったく同じことを経験することにはならない、です。
しかし、これはだれもが納得できるような完璧な答えではありません。
この点を嫌って、ヨーギニー・ダシャーを使わない占星術家もいます。
じつはインドのヒマラヤ地方では、ヴィムショッタリー・ダシャーよりも、伝統的にヨーギニー・ダシャーばかりが使われます。
しかもその地方で使われるヨーギニー・ダシャーは高い精度を誇っています。
それには、秘密があるからなのですが、その秘密は明かされていません。
VPゴエルは、本書のなかでその秘密を解き明かそうとしました。
VPゴエルは、プログレス技法を用いて、同じダシャーがめぐってきてもラグナ(アセンダント)が同一にならないように工夫することで、その問題にひとつの解を与えました。