インド占星術は運命重視で、
それに対して
西洋占星術は自由意志重視だ
といわれることがあります。
おもしろい命題です。
論点はいくつかあります。
そのひとつは、
欧米ではプレディクション(予言)を
すること (されること)
を好まない傾向があることです。
つまり
1)自分のことは自分で決める。
2)もし予言をして外したら、訴えられる。
などの理由があって
それゆえに
ヴェーダ占星術(欧米ではインド占星術をそう呼ぶ)をやっていても
予言をしてなにかを当てることよりも
心理分析にどうしても傾斜するそうです。
たとえば
「金星のエネルギーを使いなさい…」
「射手座の人は…」
みたいな。
(インド占星術プロパーではそんなこと言いません…)
あと
日本人にわかりにくい背景としては、
キリスト教会の影響もあるようです。
そんなだから
たとえば、使えないテクニックが広まっていても
大勢はその(使えないという)事実に気づかない。
先生から教えられるままに疑わない。
なぜなら
プレディクションが敬遠されるから
テクニックを習っても使う場面がすくなく
結果、検証がおろそかになる。
そういう悪循環に入っているらしい。
わたしの師匠・KNラオは
90年代前半、アメリカにインド占星術を広めるために
全米レクチュアー・ツアーをさんざん行いました。
しかし、
ひとつは上に書いた理由から
(別にはもっと重大な理由から)
アメリカで占星術を教えることを止めました。
ハワイ在住のヴェーダ占星術家ポール・マンリーが
2009年、インドにKNラオを訪れ
「このままではアメリカのヴェーダ占星術はおかしくなります」
「ぜひもう一度訪米してレクチャーをして下さい」
と懇願したとき、KNラオは
「アメリカにはそのカルマがないようだ」
ときっぱり断りました。
ところで
日本はどうなんだろう…。