占星術には大きく分けて次の2つがあろうかと思われます。
①シリアス系(フルスペック・バージョン)
②エンタメ系(簡易バージョン)
わたしが6年間も在籍していた占星術学校
バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン では
(写真:年2回ある研究発表会の模様)
シリアス系の占星術が教えられていました。
私の師匠・KNラオは、
「占星術はスーパーサイエンスである」
というスタンスを取っていて、
「JYOTISHA the super-science」
という本まで著しています。
この本は、2003年末に最高裁で
「占星術を正規科目とすべきかどうか」
を巡って争って戦った際に提出された
証拠資料を中心にまとめたものです。
最高裁で下された判決は、
占星術は大学で教授するに値する
というものでした。
この判決により、少なくともインドでは
長い間失われていた威厳(dignity)が
もう一度占星術に取り戻されました。
すくなくともインドでは
占星術は怪しげでやましい科目(subject)
ではなくなりました。
この判決に、KNラオの存在が
かかせませんでした。
インドの最高裁にはペティション(上申?)といって
当事者(被告・政府、原告・共産主義者と物理学者)でなくても
一般人でも発言をする機会が与えられるそうで
KNラオはそのペティションというかたちで
法廷で20分近い証言をおこなったそうです。
最高裁判事は、
KNラオの証言を聴いた段階で
判決内容を決めたといいます。
それほど説得力のある内容が
この本には掲載されています。
では
占星術が大学で教えるに値するとはどういうことでしょうか?
まず
ヘリテージ(遺産)としての占星術の価値です。
インド文化の偉大な遺産の一部として占星術を後世に伝える意義です。
しかし
それだけならすでにサンスクリット文化の一部として
占星術はすでに大学で教えられてきました。
この判決の意義は
歴史的に占星術が社会に対して
かつて具体的に貢献してきたし、
現在もなお貢献している
という事実が最高裁で認定された
ところにありました。
ぶっちゃければ
占星術における科学としての側面が
認められたといって良いのかも知れません。
そう
古典としてだけではなく、
科学としても占星術は大学で教えるに値する
という太鼓判が最高裁によって押された
ということなんですね。
占星術がシリアス系ジャンルとして成立することが
最高裁で認められた画期的な瞬間でした。