前々回の記事「時刻修正、どうしてますか?」のつづきです。
時刻修正は、レベルによって二段階あります。
①ラグナの星座が正しいか?
②ラグナの経度(度分秒)が正しいか?
得られる情報によって、①のレベルで終わるか、②のレベルまで進めるか、が決まります。
①のレベルで躓くような場合、鑑定はできません。
つまり、
アセンダントの星座を特定することができない場合です。
こんなことがありました。
散々検証した結果、アセンダントは天秤座ではなくて蠍座だとわたしは確信しました。
そう相談者に伝えると
「いや~、わたしは蠍座人間じゃないと思んですよね」
相談者は、「天秤座人間でありたい」という願望から
蠍座アセンダントの可能性をかたくなに拒んできました。
でも~
そもそも蠍座人間とか天秤座人間とかいう概念は、
星座占いと無関係なインド占星術にはないんだけどね
星座占いをインド占星術にだれかが持ち込んだ結果
そういう不幸な見方が広まってしまった経緯がある
そこまでいうなら、残念だけど鑑定は続けられないんだよね。
そういうケースがこれまで何度かありましたね。
また、
そもそも出生時刻がまったわからないというケースでは、
①のレベル、すなわちアセンダントの星座の特定さえ困難な場合が少なくなく
いくら膨大な労力と時間をつぎ込んでも、
結局わからずじまいということもあります。
わたしはそういう事案の依頼は、お断りすることにしています。
バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン でこういうエピソードがありました。
たいへん優秀で生徒たちからもっとも尊敬されている教官A、そしてB。
かれらも
「実は、自分の正確なホロスコープを知らない」
それを聞いたときは、わたしを含め生徒たちはみなたいへん驚いたものです。
誤解のないように断っておきますが、
まったくわからないのではなく、
優秀な「先生がわからない」というレベル
と
一般の「生徒がわからない」というレベル
では、そもそも雲泥の違いがあるってことは理解しておいてね。
教訓としていえるのは
誕生時刻というものは、占星術を使えばだれでも必ず正確にもとまる
というものではないということですね。
この事実に対して、占星術を学び実践するものは、もっと謙虚にならないといけませんね。
ジョーティシュはスーパーサイエンスであるとKNラオは説くんだけど
ジョーティシュを使えばなんでもわかるからスーパーサイエンスなのではなく
入力(INPUT)に応じて正確に出力(OUTPUT)が得られるというところが
スーパーサイエンスなんだよね
だから
入力(INPUT)がしょぼければ、
必然的に出力(OUTPUT)もしょぼくならざるを得ない
ジョーティシュを使えば何でもわかるという子供っぽい万能感は、
むしろ鑑定をあたらなくさせるんだよね。
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