出典
記事:”Planets Take Tem Across the Sea -I” Journal of Astrology, January-March 2002, pp19-22.
著者:K.N.Rao & Minakshi Raut
事例3
”Risky Prediction Part V”, Astrological Magazine, June 1989で扱ったホロスコープをここで分析しましょう。
- 10室の支配星は、12室を支配する金星、そしてラーフと7室でコンジャンクトし、仕事が外国と関係することを表しています。
- ラーフと絡む惑星が支配するハウスは、そのテーマに関して外国との縁が生じます。
- この男性はフランスの外務省に勤務していて、外国人の女性と結婚しました。
- 興味深いことに、太陽/ケートゥ期、かれは軍役に服していました。太陽/金星期がはじまるとすぐに、外務省に採用されました。太陽は12室にアスペクトし、金星は12室を支配しています。
月のダシャーが始まると同時に、外国勤務に就きました。月は3室に在住し、9室にアスペクトし、9室を支配する土星にアスペクトされています。
ダシャーンシャ(D10)でも、同様のことが確認できます。
- 12室を支配する金星は9室を支配する土星とコンジャンクトし、10室にアスペクトしています。
- 10室を支配する木星は9室に在住し、外国とのコネクションを示しています。
事例4
このオーストラリア人のホロスコープは、これまでの3例とはすこし異なります。
かれはクリシュナに強く惹かれています。
- 10室を支配する金星は、12室を支配する月と4室でコンジャンクトし、10室にアスペクトしています。あきらかに外国とのコネクションを示しています。
- しかし以下の点はこれまでの3例とは異なります。5室を支配する木星は、12室で高揚し、9室の支配星にアスペクトされています。高揚する木星は12室から10室の支配星にアスペクトしています。これはミッション(布教)のコンビネーションです。
ダシャーンシャ(D10)で同様のことを確認しましょう。
- 10室の支配星は12室に在住し、12室の支配星とアスペクトしあっています。
- 興味深いことに木星も、12室に在住する10室の支配星にアスペクトしています。
事例1から4までを要約すると
10室の支配星と12室の支配星が絡み合っています。
しかし絡み方に若干の違いが見られます。
事例1のアジターブの場合、11室の支配星が12室にアスペクトし、外国からの利益を表しています。
事例2のナーラシンハラオの場合、10室の支配星と12室の支配星の絡みに火星も絡んでいます。火星は例外なく権力をもたらします。
事例3の場合も、10室の支配星と12室の支配星の絡みに火星も絡み、権力をもたらしています。
しかし事例4のオーストラリア人男性の場合、10室の支配星と12室の支配星の絡みに木星が絡んでいます。
権力ではなく、純水に宗教的な目的を表しています。
オーストラリア人男性はまっとうな占星術家で、インド占星術を深く学んでいます。
ダシャーンシャ(D10)
事例1から事例3までは、すべてのダシャーンシャ(D10)で12室の支配星は10室にアスペクトしています。
しかし事例4のダシャーンシャ(D10)では、10室の支配星が12室に在住し、12室の支配星にアスペクトされています。
結論
海外勤務のケースを様々な角度から検討しました。
例外なく、7室、9室、10室の支配星が12室の支配星と絡むと外国との縁や海外勤務をもたらすことが確認できました。
ダシャーでいえば、12室、7室、9室やその支配星と絡む惑星のダシャーに外国に赴任する傾向があります。
しかし月やラーフのダシャーにおいてもその傾向は顕著です。
(つづく)
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。