前回に続き、結婚のタイミングに関する話題です。
わたしがインドに留学して間もない2008年秋、ラオ先生が担当するシニア・リサーチのクラスで行われていたリサーチがこの「結婚のタイミング(Timing of Marriage)」でした。わたしは、リサーチの成果が仕上がっていくプロセスを、クラスに出席しながら逐一目撃していました。
ここで紹介されているパラメータを使えば、9割以上の確率で「結婚のタイミング」が説明できるという、驚異的な結果が報告され、即、本書の出版が決まりました。
今回はトランジットについてです。
結婚のタイミングを左右するトランジットのパラメータを紹介しましょう。
出典
著書:『Astrology and Timing of Marriage』(2008)
著者:Meenakshi Priyadarshini et al.
指導・監修:KNラオ
トランジットのパラメータ
パラメータ1:トランジットの木星がヴィヴァーハ・サハム(VS:विवाह सहम)にアスペクトしている。ヴィヴァーハ・サハムは結婚の感受点であり、ラグナ・ロード(1室の支配星)と7室の支配星の経度を足して求まります。
パラメータ2:ダブル・トランジット*──トランジットの土星と木星が、ラグナ、7室、あるいはそれらの支配星、あるいはVSにアスペクトして活性化している。ダブル・トランジットの役割はKNラオが1984年にはじめて公開しました。カーラプルシャにおけるカルマーディパティ(土星)とダルマーディパティ(木星)が特定のハウスやその支配星とPAC(Position, Aspect, Conjunction)で絡むとき、それらのハウスのテーマが活性化されるというものです。
パラメータ3:ピヤーミラン(पिया मिलन)──この用語の命名は、ラオ先生のユーモアから出たもので、生徒がけっしてこの言葉を忘れないようにする巧みな教授法のたまものです。トランジット・チャートでラグナ・ロードと7室の支配星が結婚前にコンジャンクトする現象を指します。ラオ先生によれば、地上で新郎と新婦が逢う前に、天空で新郎と新婦を表す惑星同士が会合するというものです。
パラメータ4:結婚の前に、トランジットの木星が、男性のチャートで金星を、女性のチャートで火星を活性化している。
パラメータ5:太陽を含む多くの惑星がラグナ(1室)あるいは7室の周辺に集中している。ほとんどの結婚式では、荘厳な儀式の証人として神々が招聘され、祝福が授かるように、マントラが唱えられます。それゆえに、結婚当日、太陽とその他の惑星は、ヴィシュヌのダシャーヴァターラ(दशावतार、写真参照)として7室あるいはラグナの周辺に集合します。
パラメータ6:結婚前に、ラグナ・ロードが7室の周辺をトランジットするか、あるいは7室の支配星がラグナの周辺をトランジットする。
*ダブル・トランジットは、KNラオ著『UPS AND DOWN IN CAREER』(1993)を参照ください。
(つづく)
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。