このサイトでブログを書き始めたのが8月のはじめ。
ほぼ毎日更新しています。
2ヵ月間にわたり、バーラティーヤ・ヴィッディヤー・バワンの教授・生徒が書いた書籍・雑誌のなかから役立ちそうなものを選択し、翻訳し、紹介してきました。
これまでの翻訳記事を読んできた方は気づかれていると思いますが、世間にありがちな星座の解釈(たとえば射手座がアセンダントの人は~である…というヤツ)は一度も出てきたことがありません。
わざとそういう記事を避けているわけではありません。
わたしがバーラティーヤ・ヴィッディヤー・バワンで学んだ6年間、そういう解釈は一度も聞いたことがありません。
記事の中に繰り返し出現するパターンは、ハウスと惑星のPAC(絡み)ばかりです。
星座やナクシャトラの象意を積極的に解釈することは、まったくといっていいほどありません。
そういうところもじっくり味わいながらお読みください。
出典
書籍:『Planets and Education』(2008)
著者:Naval Singh
数学
BOD:1970年8月26日
BOT:午前11時32分
BOP:Itawa
性別:男性
かれは、ラーフ/火星期に11年生と12年生の試験を通過しました。
専攻は理数系でした。
1988年6月に大学のB.Sc(数学系)コースに進学しました。
木星/木星/土星期のダシャーチッドラでした。
1988年12月に科学への興味を失い、1989年から文系科目を多く選択しました。
たとえば、英語、ヒンディー語、経済学、そして数学を選択しました。
文系コースに在籍しながら、1992年、数学で学士を取得しました。
ラーシ・チャート(D1)
5室を支配する土星は、火星が支配する星座で、太陽が支配するナクシャトラに在住し、木星にアスペクトされています。
水星から見ても土星は5室を支配しています。
水星は高揚し、太陽のナクシャトラに在住しています。
ナヴァーンシャ(D9)
ナヴァーンシャでは、5室に火星がアスペクトしています。
5室を支配する金星は、太陽の星座に在住し、水星と木星にアスペクトされています。
ラーシ(D1)でもナヴァーンシャ(D9)でも、5室とその支配星に、太陽、火星、水星が絡んでいます。
それが、かれが数学を専攻した理由です。
ダシャー
次に、ダシャーの役割について論じてみましょう。
木星はラグナに在住し、5室に在住するラーフ、5室を支配する土星、10室を配する月にアスペクトしています。
ラーフ=ケートゥ軸が5-11室の軸に在住しているので、木星期に語学を学びました。
ナヴァーンシャ(D9)では、木星は自室の射手座で、土星、月、ラーフとコンジャンクトし、5室支配の金星、太陽、ケートゥ、火星にアスペクトしています。
吉星のダシャー・ロードの木星が、太陽、ケートゥ、火星に絡み、さらに水星が強いので、語学、経済学、数学を学びました。
就職
1992年6月2日、ノンキャリアで公務員になりました。
そして木星期の間に、会計助手を経て会計士に昇進しました。
木星は10室の支配星・月にアスペクトしています。
ナヴァーンシャ(D9)では、木星は10室を支配し、7室の射手座に在住しています。
ダシャーンシャ(D10)では、木星は10室を支配して7室に在住し、ラグナから水星にアスペクトされています。
ダシャーンシャ(D10)では、ラグナに木星と水星が絡んでいて、会計と金融に関係する職業に就くことを示しています。
KNラオは、『Dips into Divinity, Astrology & History』のなかで、DVスバー・ラオがカルマとモチベーションを読み解く際の方法を紹介しています。
それは、ラグナ、ラグナ・ロード、5室、10室、そしてそれらの支配星に絡む惑星に着目したものです。
わたしはこの方法を若干修正して使用していますが、キャリアパターンを読み取るのにたいへん有効であることを確認しています。
このように、専門を理系から文系、そして数学へと変更し、最終的に経理の仕事に落ち着いた男性の変遷を、占星術を用いて合理的に説明することができました。
学業及びキャリアの変遷をこれほど明確に説明できる占術や学問が、インド占星術の他にあるのでしょうか?
「教育 その8:政治学」でも論じましたが、太陽は高等数学を専攻する上で、他の凶星に比して顕著な役割を果たします。
そして水星と火星が太陽をサポートします。
水星は知性と計算の惑星です。
火星は技術と論理の惑星です。
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。