出典
著書:『Delayed Marriage of Girls』(2005)
共著者: Sarla Prasad, Shri Rama Mishra, Shalini Dhasmana, Draupadi Rai
指導・監修:K.N.Rao
出版当時、共著者らはみなシニア・リサーチの生徒でしたが、たいへん成熟度の高い占星術研究家です。シュリーラマー・ミシュラ(Shrirama Mishra)と シャリニー・ダシャマナ(Shalini Dhasmana)は、現在、バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン で教鞭をとっています。
「はじめに」(KNラオ)
以下、KNラオの「はじめに」からの要約・引用です。
女性がいつ結婚するかに関する記述は、『ブリハット・パーラーシャラ・ホーラー・シャーストラ』*を除いて、占星術のどの古典にも書かれていません。『ブリハット・パーラーシャラ・ホーラー・シャーストラ』でも、ダシャーによって明示されるかたちではなく、男女それぞれの惑星の配置を元にヒントが示されているだけです。
*『ブリハット・パーラーシャラ・ホーラー・シャーストラ』はインド占星術のバイブルといわれる古典です。ヒンディー語訳は6~7冊、英訳書は2冊出版されていて、訳文が微妙に異なます。国が中心になって翻訳を統一すべきだとラオ先生は主張しています。
古典が書かれた当時、女性の結婚は問題になりませんでした。女子の結婚相手はたいてい近隣の村に住む男子で、新郎新婦それぞれの親戚が顔見知りの伝(ツテ)をたよって見合結婚をお膳立てしました。興味深いことに、見合いの多くは髪結い(床屋)の口利きがきっかけで行われました。当時の髪結い(床屋)は現代の出会い系サイトの役割を果たしていました。結婚の多くは、ホロスコープを使って相性を検討するようなことはせずに決まり、結婚生活は伝統にしたがって営まれました。「死だけが夫婦を別つ」と信じられていたからでした。
本書では、高学歴な親に育てられた女性を対象としています。したがってキャリアを重視するあまりに婚期を逃したケースを扱います。良かれ悪しかれ、結婚を遅らせようとする娘たちは、伝統的なヒンドゥー教徒の両親にとって苦悩の種となっています。占星術家はこの現実に正面から向き合い、現代社会の都市で暮らす親御さんたちが抱える喫緊の課題に応えるべく、新しいリサーチを始めるべきでしょう。
本書では例外的な事例を扱いません。本書の目的は、結婚のタイミングを左右する要因及び婚期を遅らせる要因を見いだすのが目的です。
年齢幅
本書で紹介するリサーチの目的は、女性の婚期がどの年齢幅に相当するのかを予測する方法を検証することにあります。この目的のために、年齢幅を以下のように分割します。基底となる年齢を22歳とします。
① 22~25歳
② 25~28歳
③ 28~31歳
④ 31~34歳
⑤ 34~37歳
⑥ 37~40歳
⑦ 40~43歳
40歳以上の結婚は、パートナーシップや老後対策であるケースが多く、インドやヒンドゥー教徒の間では例外的な結婚と見なせます。
アプローチ
分析の手順は以下の通りです。
- 出生図(D1)を主に分析の対象とするが、ナヴァーンシャ(D9)も必要に応じて対象とする。
- 使用するダシャーは、もっとも一般的で多用されているヴィムショッタリー・ダシャーである。しかし必要に応じて他のダシャーに言及することもある。
- このリサーチの目的に照らし、結婚にとって基底となる年齢を22歳とする。結婚を遅らせる要素が加算されるに応じて婚期が遅れると考える。
(つづく)
※著作物から要約・引用するにあたり、わたしはラオ先生との間で契約を交わしております。